016/悪を断つ剣◆kILBiSHoqM


 B-6の森の中、一人の男……ゼンガ―ゾンボルトは瞑想をしていた。

ゼンガーがこの場所に飛ばされてまずしたことは、己の持つ情報の整理だった

まずあの進行役、ユーゼスのことだった。
彼のいた世界で起こった星間規模の大戦「バルマー戦役」と呼ばれる戦いにおいて数多くの事件の火種となった人物だと彼の世界の記録に記されている。
しかし、その人物はロンド・ベル隊の決戦で、龍虎王の一撃の前に果てたと聞く。
 ――偽者、いや複製か?
だとすれば確実にいる。「進行役」を創造した「黒幕」とも言える者が、。
しかし、城が禁止エリアとなっている現状では手が出せない、あの広間で起こった惨劇はブラフではないだろう、禁止エリアに入れば確実に死ぬ。
しかし連中も一つミスを犯した。
あの城を真っ先に禁止エリアにしたということは、「少なくともユーゼスはH-7の城にいる」ということにもなる。

十中八九間違いないだろう。
もし、どこか別の場所にでも奴らの本拠地があるのならば、H-7の城はそのままにしておくだろう。
なぜならそこは「主催者が拠点としていた城」なのだから、まず間違いなく人が集まる場所だ。
主催者打倒の目論む者たち、大きな建物の中に潜み危険を回避しようとする者たち、そしてその者たちを狙う殺戮者ども。
参加者の殺し合いを目的とするものたちが、そんな激戦区の条件を満たす大きな「舞台」をみすみす手放すわけは唯一つ、そこがやつらの本拠地だからだ。
 
 とすれば、己の成すべき事は首輪をはずすことのできる人材、そしてユーゼス及び「黒幕」を打倒する者たちとの同盟である。 
だがゼンガ―にはどうしても優先しなければならないことがあった。
参加者名簿と記された用紙には、ゼンガ―を慕い、そしてゼンガ―が守れなかった少女、イルイの名が刻まれていた。

 同じ名の別人かもしれん、ユーゼスの仕組んだ罠かもしれん。だが――

――守らねばならん、この身が灰と化そうとも。

 道は見えた、後は、往くのみ!

 思考を終え、立ち上がったゼンガ―は怒声をあげた。

「聞け!ユーゼス=ゴッツォ!そして名も知らぬ『影』よ!」

 ゼンガ―の雄叫びに応えるが如く、一枚のカードが光に消え刀と化す。

「我が名はゼンガ―ゾンボルト!」 

 手にした刀は、ある世界にて星の滅びを討ちし者の一振り。

「悪を断つ剣なり!」

 こうして剣神は往く、一人の少女のために、この星の明日の為に、「虹」と呼ばれし刀を持って。


【ゼンガ―ゾンボルト(第二次スーパーロボット大戦α)】B-6 森の中/一日目・8:50

状態:万全
装備:虹(クロノトリガー)
道具:支給品一式
思考:イルイとの合流及び協力者の捜索  C-6の城を探索後、G-5の街を目指す

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